| 2011年6月 定例議会 |
| 福岡県の6月定例議会では、民主党・県政クラブ県議団から吉村敏男議員が代表質問に立ち、岩元一儀、堤かなめ、原中誠志、仁戸田元氣、田邊一城、井上博隆、中村誠治の各議員が一般質問を行いました。その質問の要旨を紹介します。 |
| 吉村敏男議員(嘉穂郡・山田市)の代表質問 |
- 1.東日本大震災について
- 被災を免れた本県としては、被災地の一日も早い復興に向けて最大限の支援を行うとともに、被災地を支援するためにも県の経済を活性化させ、災害に強い県づくりを進めていかなければならないとの観点から、知事に質問。)
- ・<本県経済への影響について>知事は、大震災がもたらした本県への影響と現状をどのように把握しているのか。特に、このほど創設した従来の融資とは別枠の融資制度の他に、県内中小企業に対してどのような支援策を講じているのか。
- ・<雇用への影響について>本県の雇用情勢は、昨年4月期から12月期を通じて失業率が6.0%という厳しい状況にあったが、震災以降の雇用情勢をどのようにとらえ、どのような具体的な対策を講じていくのか。
- ・<被災地への人的支援について>今後、被災地が復旧から復興へと向かう中で、自治体職員の派遣もこれまでの短期派遣中心からインフラ整備への支援など、長期派遣に比重が移っていくと考える。今後の派遣を、どのような方針と計画のもとで実施していく考えなのか。
- 2.原発事故に関して
- (糸島市が玄海原発から半径30キロメートル圏内に位置し、糸島市民を始め原発に対する県民の不安と関心はこれまでになく高まっており、現時点では、玄海原発もすべてが安全とは言い切れるまでには至っていないとの認識に立って、質問。)
- ・<防災基本計画について>
①国は原子力防災に関して現行の防災基本計画を見直す考えを示しているが、スケジュールは示されていない。知事が表明した原子力防災を盛り込んだ県の防災計画の見直しは、国待ちではなく県独自の計画を目指すべきだと考えるが、知事の考えを質す。また、国の見直しに関しては、どんなことが必要だと考えているのか。
②(答弁を受けて)国の防災計画に入れる必要があるものは何か、知事の考えを明確に答えられたい。
- ・<原子力安全協定について>
①玄海原発は佐賀県にあるが、本県としても原発立地県と同様の対応が必要だ。県民に玄海原発に関する適切な情報を伝え、安全確認の実施、放射線の監視を行うためにも、県と玄海原発事業者との間で原子力安全協定を結ぶ必要があると考えるが、知事の所見を尋ねる。
②(答弁を受けて)知事は、原子力防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲を示すEPZの見直しを通じた制度改正が行われるよう、全国知事会を通じて国に働きかけると言うが、京都府はすでに関西電力に安全協定の締結を申し入れることを決めている。本県も隣接県として原子力安全協定の締結を九電に申し入れることが、知事としての重要な政治姿勢ではないか。もう一度考えを聞きたい。
③(再答弁に対して)原子力安全協定の締結が必要だと思うのか、思わないのか、はっきりと答えられたい。
- ・<他県との連携とモニタリングポストの設置について>
①6月7日に開かれた本県と長崎、佐賀の3県による原子力防災三県連携会議の目的、内容、今後目指していく方向性はどのようなものか。
②(答弁を受けて)三県連携会議で本県は佐賀県が設置している25ヵ所のモニタリングポストの情報提供をお願いしたとのことだが、それほど重要なモニタリングポストなら、どうして今回の一般会計の中に県内にモニタリングポストを設置する費用が計上されていないのか。国の決定を待たずに、せめて県独自に4、5台くらいは設置すべきではないか。
③(再答弁に対して)国の補助金がなくても設置するのかしないのか、分かりやすく答えていただきたい。
- ・<EPZの範囲拡大について>
①現在、本県は原子力防災対策を重点的に充実すべき範囲を示すEPZの範囲外にあり、原発事故に対して無防備な状況にある。半径10キロ圏内と定める現行のEPZでは不十分であり、せめて国際原子力機関が定める半径30キロ圏にする必要がある。また、SPEEDIと呼ばれる放射性物質の拡散予測システムを使い、地形や気象条件を加味してEPZを設定することも必要だ。EPZの実態に合った範囲拡大を国に強く求める必要があると思うが、知事の考えを問う。その際、玄海原発のEPZの範囲は具体的にどのようになるべきだと考えているのか。
②(答弁に対して)九州知事会を通して国に要望していくとのことだが、長崎県知事はすでに国に申し入れをしている。福岡県知事としても独自に申し入れるべきだと思うが、知事の考えをイエスかノーではっきり答えられたい。
- ・<安全性確保と運転再開について>
原発の安全性の確保という観点と、本県における産業政策の観点から、知事は玄海原発の運転再開について、現時点ではどのような所見を持っているのか。
- 3.県財政の現状認識について
- 今回提案されている2011年度一般会計当初予算案では、県債残高は過去最高の3兆862億円にまで膨らんでいる。財政破綻とも指摘される県財政の現状を、知事はどのように認識しているのか。
- 4.地方の二元代表制について
- 今回の統一自治体選挙では、大阪府や名古屋市など、首長が党首を努める地域政党が台頭したことが特徴だ。これらの首長に共通しているのは、議会が自分の意に沿わない場合は、過激な言葉で既存の政治体制や政党、議会などを誇張して批判するとともに、強いリーダーシップを誇示してトップダウン的な手法を多用することなどにあると言える。こうした政治姿勢は、二元代表制という自治体の政治システムとは、基本的に相容れないものと言える。
- ・このようなポピュリズムとも称される首長たちの政治運営の方法を、知事はどのように評価しているのか。
- ・前麻生県政と議会の関係は、事実上オール与党体制でなれ合いを生んだとの批判もある。知事は、これまでの福岡県政を見て、二元代表制は機能してきたと思うのかどうか、所見を聞きたい。
- ・知事の二元代表制についての所見と、今後議会に対してどのような関係を築こうとしているのかを尋ねる。
- 5.知事の政策の基本スタンスについて
- ①我が会派は、前県政16年間を総括し、真に県民が求める福祉、環境政策が推進されたか疑問が残るとの立場だ。小川知事は前県政の環境、福祉政策について、どのような基本認識を持っているのか。
②(答弁を受けて)知事は環境部をつくったから環境問題には熱心に取り組んだというが、県内の産業廃棄物不法投棄問題はほとんど解決していない。また福祉施策で、他の県ではやっていないが福岡県がやっているようなことは殆どない。新知事には環境、福祉問題に積極的に取り組んでほしいし、産業廃棄物不法投棄問題に真正面から取り組むよう求める。
③知事は議案説明で、「まず福岡県を元気にして、その元気を東日本に届け、日本全国に広げていく、元気を西からです。」と述べている。しかし、何をどのようにして元気を西からを実現していくのかよく分からない。もっと分かりやすい説明を求める。また、前県政にはない小川県政ならではの県政とはどういうものか、あれば具体的に示されたい。
④(答弁を受けて)「元気を西から」と言う時、具体的な目標が必要だ。例えば、有効求人倍率でも完全失業率でも全国平均を上回る改善を果たした時、あるいは全国平均の県民所得を実現した時、福岡県が元気を発信できる時だというようなことを言わないと分からない。知事はそのような具体的なイメージを示すべきではないか。
- 6.「県民幸福度日本一を目指す」について
- ・知事が提唱する、県民幸福度日本一の福岡県とはどういうものなのか。
- ・どのような施策をとれば幸福度が上がるかなどを検討するために、外部有識者を含めた検討を進めているが、知事自らが一定の考え方を示して検討すべきだ。幸福度というからには、それをはかる尺度として知事はどのようなものを考えているのか。
- ・現状の福岡県の幸福度を知事はどの程度と考え、日本一にするためには何が課題だと考えているのか。
- ・知事は県民幸福度日本一をいつまでに、どんな手段で実現しようと考えているのか。
- ・(答弁を受けて)どの時点でどのようにするのか、それを何をもって計るのか、いつまでに実現するのか、それを明らかにしないと、本当に知事の政策目標なのか、単なるスローガンなのか分からない。そのことを先ず明らかにすべきではないか。
- 7.本県の長期計画の策定について
- ・ふくおか新世紀計画は昨年度で終了、現在県政史上初めて長期計画の空白期間となり、今年度は県政の基本デザインが示されないまま予算が編成されている。知事は、本県の長期計画の必要性、重要性についてどのように認識しているのか。
- ・新たな長期計画を策定する場合、何が計画の中心テーマになると考えているのか。
- ・新たな長期計画を策定する際には、時代の潮流をどうとらえるかが重要となる。知事は、前長期計画策定時と現在とでは、どのような時代変化を認識しているのか。
- ・今回提起されている新総合計画の期間はわずか5年であり、麻生県政時代のふくおか新世紀計画の単なるつけ足しになるのではないかと危惧する。5年にした理由は何なのか、知事の納得のいく説明を求める。
- ・(答弁を受けて)知事は時代の変化が速いから5年にしたと言うが、予算説明を受けた時に企画・地域振興部長は、麻生前知事が「10年は長すぎる。5年にしなさい」と何度も言ったので5年になったと説明した。そうであれば、麻生院政ではいけないという基本姿勢が覆されることになる。本当のところはどうなのか、はっきりしてもらいたい。
- 8.地域主権改革の推進・九州広域行政機構の設立について
- ・九州広域行政機構の設立を目指している九州知事会は、5月末、この機構が移譲を受ける国の出先機関について、九州経済産業局、九州地方整備局、九州地方環境事務所の3機関の業務を先行して移管できるよう、政府と協議を始める方針を明らかにした。具体的に3機関を先行して協議が開始されることになり、二重行政の無駄が解消されることが期待される。
- ・2014年度にこの3機関の業務を移譲するためには、来年の通常国会への法案提出が必要だが、職員の身分や財源などの議論はこれからで、作業の難航が予想される。知事は3機関の移譲実現について、どのような見通しを持っているのか。3機関を受け入れた場合、人員、予算規模、権限など、どの程度の行政機構になるのか。
- ・広域行政機構は、執行機関として合議制の知事連合会議、議事機関として議会代表者会議を置くことが考えられる。二元代表制を採用するのであれば、当然、議会代表者会議の構成や議員の選出方法、議会の権限と役割などについて議会側との協議が必要不可欠の条件だが、この手続きが欠落していることは納得できない。なぜなのか。議会代表者会議の役割、権限について、どのように考えているのか。
- ・九州広域行政機構設立の動きの中で、これを道州制に向けての布石と捉える見方や、地域主権確立の突破口と捉える見方がある。知事は広域行政機構設立の意義や役割をどのように位置づけているのか。
- ・国と九州広域行政機構との協議をにらみながら、本県としてはどのようなスケジュールで参加を正式に決めていくのか。正式参加を検討する際には、県内市町村への情報提供が重要だが、現在どのような取り組みが行われているのか。
- 9.本県のアジア戦略構想について
- ・本県のアジア国際戦略特区構想は、福岡の重要な成長戦略だと考える。国は、国際戦略総合特区を全国で5件程度指定するとされ、全国から92件も提案されていると聞く。このほど成立した総合特別区域法は枠組みが変わり、大震災の影響で特区への大きな投資が見込めないと考えられる。本県のアジア国際戦略特区構想と、今回成立した特区法との関係について、知事はどのような所見を持っているのか。
- ・今回の法成立を踏まえ、県として特区構想の指定に向けてどう取り組んでいくのか。
- ・本県の特区構想は、2020年までにアジアの外需9兆円を取り込み、内需効果6兆円と合わせ、本県のGDPを15兆円純増させるという夢の構想だ。しかし、今回の法律では仮に特区に指定されても、当初期待した国からの多額の投資はほとんど見込みがなく、夢の構想はそのまま夢に終わることが確実だ。今回の特区法制定による本県の成長戦略への影響について、知事はどのように認識しているのか。
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| 岩元 一儀議員(北九州市八幡西区)の一般質問 |
- 1.教育問題・新学習指導要領の実施について
- 新学習指導要領が今年度から小学校で、来年度から中学校で完全実施され、ゆとり教育に終止符を打ち、30年ぶりに授業時間と教科書の分量が増え、これに対応する学校現場での課題も多いと思われる。小、中学校の校長の約9割が教員の多忙化の加速、小学校長の約7割が学力格差の拡大に不安を持っているとの調査結果が示されており、新学習指導要領に沿った質の高い教育を実現するために、県に対して制度面、実践面での教育条件整備がこれまで以上に求められているとの観点から、教育長に質問。)
・年間の授業時間確保のため、二学期制の採用や学校行事の削減・時間短縮を行っているところもあると聞くが、週5日制の中で授業時間の確保が困難になているのではないか。授業時間の確保についてどのような所見を持っているのか。2年間の移行期間から見えてきた課題はどのようなものか。
・文科省は、学力の高位置、中位置の割合が減少し、学力の低い層が増加していると分析している。新学習指導要領の実施によって学習量が増えると、学力の低い層が増加する懸念がある。県教委として、学力の低い層を減らしていくためにどのような対策を考えているのか。
・新学習指導要領によって、教科書は約2割、授業時間は約1割増加すると聞いている。移行期間での実践を踏まえ、教科書と授業時間の関係についてどのような所見を持っているのか。
・教職員は常に勤務時間を超えて働いている現状にあり、新学習指導要領の実施によって教職員の多忙化の加速が懸念される。県教委としてどのように対応しようとしているのか。
・(答弁を受けて)積極的な二学期制の導入による授業時間の確保や、35人以下学級の推進による学力向上などの取り組みを要望する。
- 2.暴力団対策について
- ・今年に入って、県内で大手企業トップの自宅に爆発物が投げ込まれる事件などが相次いで発生、企業を狙った暴力事件や抗争と見られる発砲事件などが10件も発生している。県警本部長は着任会見で、こうした最近の暴力団の動きを、追い込まれた暴力団の焦りとも考えられると述べた。しかし、取り締まりの効果が不十分なために、犯行が繰り返されているのではないかと、素朴な疑問を持つ県民も多い。本部長が暴力団の焦りと判断する理由を具体的に聞かせてもらいたい。
・本部長は、暴力団排除条例施行以降の一連の取り組みと取り締まりによって、暴力団排除がどの程度の段階まで進んできていると判断するのか、成果と課題をどのように考えているのか。
・暴力団排除をさらに進めるには、社会全体一体となった取り組みを警察がいかにバックアップしていくかが重要だ。しかし、暴力団の犯行と思われる犯罪の検挙率が極めて低いことは解決すべき最重要課題であり、検挙率を上げることが暴力団排除の原動力となると考える。このことについて本部長はどう考え、検挙率を上げるためにどのように取り組んでいく考えなのか。
・本部長は着任会見で、今までにない手法や着眼点を考えながら暴力団を追い込んでいくと発言したが、新たな手法や着眼点とはどのようなものなのか。
・4月に前知事と両政令市が、国家公安委員長や法務大臣などと面会し、暴力団対策法の抜本的な見直しを要請したが、現行法では制約があり、実態に即した法整備が重要だ。知事は引き続き要請行動を継続すべきだと考えるが、どのように考えているのか。最後に、知事と県警本部長の暴力団排除への決意を問う。
・(答弁を受けて)未解決事件の早期解決、警官の増員と効果的な配置、外国からの銃や爆発物などの移入の徹底取り締まり、新たな手法の早期実現を強く要望する。
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| 堤 かなめ議員(福岡市博多区)の一般質問 |
- 1.男女共同参画の推進について
- <知事の基本姿勢>知事が男女共同参画社会の実現を県政の主要課題の一つとして位置づけ、実効性ある施策を実施するものと期待する。知事の所見を伺う。
・<防災分野での男女共同参画>本県では、東日本大震災を踏まえ、総合的な防災対策に約260億円を計上し、種々の新規事業が計画されているが、その計画段階から女性の参画を拡大するなど男女共同参画が推進されるよう期待する。男女共同参画の視点及び子ども、高齢者、障がい者、外国籍住民など、社会的弱者の視点を防災分野にどのように組み込んでいくのかを問う。
- 2.子育て支援・保育事業について
- ・本県の保育施設は、福岡都市圏を中心にその整備が追いついておらず、いわゆる待機児童は平成19年度以降連続して増加している。本県の待機児童の現状、中でも福岡都市圏の現状はどうなっているのか。
・福岡県次世代育成支援行動計画における保育所利用児童数に関する目標数値は、潜在的な保育需要を反映したものとなっていると理解してよいのか。
・自動車産業を中心に、電力需要が比較的少ない休日に就業日する土日操業がスタートした。このような夏期電力需要対策に伴う保育需要について、県内市町村の状況はどうなっているのか、市町村はどのような対策を講じているのか。
- 3.児童虐待防止の充実について
- ・<児童相談所の職員体制>県所管の6ヵ所の児童相談所における児童虐待相談件数は、平成11年度の294件から平成22年度には855件と、10年で約3倍に増加している。これに対応するため、どのように児童相談所の職員体制を充実させてきたのか。専門知識や援助技術向上など、職員の質の向上にどうに取り組んできたのか。
・<家族再統合支援事業>虐待を理由に、いったん家族から分離したケースでも、再発の可能性がなくなれば子どもが家族とともに安心して暮らせるように支援することが必要だ。福岡児童相談所において、平成20年度から22年度にかけて家族再統合支援事業をモデル的に実施して効果あったと聞いているが、この事業の具体的内容と成果、今後の方向性について尋ねる。
・<児童擁護施設の環境改善>保護者が監護することが適当でない場合は、公的責任で社会的に養護することが必要だ。社会的養護は、施設養護と里親などの家庭的養護に大別され、施設養護から家庭的養護への移行が望ましいが、現実には施設養護に頼らざるを得ない状況にあり、施設養護の環境改善は急務の課題だ。県として児童擁護施設の環境改善にどのように取り組んでいるのか。また、専門知識のある職員が適切に配置されるよう、県はどのような支援を行っているのか。
・<里親制度の推進>里親など家庭的養護の比率は、欧米主要国では3〜7割を占めるが、我が国の里親等委託率は1割にすぎず、里親制度の推進が望まれる。政令市を除く本県の里親委託率の推移と、里親制度推進のためにどのような施策が計画されているのか、尋ねる。
- 4.スクールソーシャルワーカーの増員について
- ・一つの家庭の中で、不登校と児童虐待やドメスティック・バイオレンス、あるいは経済的困窮が同時に進行するような困難なケースの増加に伴い、教育と福祉を統合する機能を持つソーシャルワーカーの役割が注目されてきている。子どもが抱える課題を解決するためには、担任、養護教諭、担当教諭、生徒指導などの学校と、病院、児童相談所などの地域の専門機関が連携したチームで支援する体制をつくることが大切であり、それらをコーディネートするソーシャルワーカーが不可欠だ。教育長はソーシャルワーカーの役割と意義をどのように考えているのか。
・各学校に1名のソーシャルワーカーの配置が必要だと考えるが、県内における配置状況及びその成果について問う。また、今後の活用計画を具体的に示されたい。
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| 原中 誠志議員(福岡市中央区)の一般質問 |
- 1.新行政改革大綱について
- (小川知事が、「今後進めていく改革の指針となる新たな行政改革大綱を策定する」と述べたことを受けて、質問。)
・県人事課の平成22年度長時間時間外勤務者の実態調査では、多くの部で月平均60時間を超える勤務者が見られ、総務事務センターがまとめた平成22年度県職員健康管理の概要では、精神疾患で休む職員数が増えており、長期病休者に占める割合は56%を超える状況にある。こうした実態を知事はどのように考え、どのように改善するのか、その対策を聞きたい。あわせて、教職員の長期病休者における精神疾患の割合増加について、教育長はどのように考え、どのように改善するのか。
・本年2月の県議会において麻生前知事は、職員を減らし、給料を下げて、人件費総額を減らせばいいんだという考え方だけでは今後うまくいかない、との認識を示したが、小川知事はこの前知事の発言をどのように理解しているのか。また、新行政改革大綱の主な視点として何が重要だと考えているのか。
・新行政改革大綱は、単に職員数や人件費を減らすということを視点にするのではなく、さまざまな行政施策を間断なく見直し、行政の成果を重視する行革を実現しなければさらない。知事は、本県が平成12年から取り組んでいる行政評価制度の結果と成果を、どのように新行政改革大綱に反映させるのか。
・(答弁を受けて)麻生県政時代に取り組まれた行政改革で、トータル何人の人員が削減され、その結果どの程度の経済削減効果があったのか。
・平成21年2月に取り組みが発表された「福岡ニューディール計画」は、四つの分野で17のプロジェクトを実行し、全力で当時の大不況を乗り切ろうというものであった。こうした目玉となるプロジェクトといえども、その進捗と成果については絶えず検証が必要なことは論を待たない。現時点における各プロジェクトの進捗状況、効果と成果、これまでの投資額を聞きたい。
・(ニューディール計画について知事が詳細を承知しておらず、明確な答弁がないため、再三質問を行い、関係部長から答弁がなされたことを受けて)数値目標を求めるだけの行政改革大綱ではなく、県が設定した政策評価の趣旨も踏まえ、県行政のあり方を問うことが必要な視点ではないか。従って、重要施策である福岡ニューディール計画もしかりであり、このことをしっかり考察して新行政改革大綱策定に当たるよう、知事に強く要望する。
- 2.本県の廃棄物行政について
- (県が許可した飯塚市南部の産業廃棄物最終処分場で脱法的、違法的処理が行われたことから、地元住民が県を相手に産業廃棄物の撤去を求める義務付け訴訟を提訴。一審では原告が敗訴したものの、本年2月の二審判決は一審判決を退けて住民が勝訴、実質的に県に代執行まで迫る全国初の内容であった。しかし福岡県は二審判決を不服として上告し、これに対して福岡県議会は2月21日、県の上告取り下げを求める決議をほぼ全会一致で可決したという経過を踏まえて、質問。)
・今回の裁判について、知事はどのように報告を受け、どう理解しているのか。
・知事は、上告取り下げを求める県議会決議の重さをどのように認識しているのか。
・県民の生命、財産を守るのは県の重要課題の一つだ。負の部分は改善、解消するとの知事の決意に従えば、高裁判決を受け入れることが県民の利益になるのではないか。県が上告してどうしても最高裁の判決を仰がなくてはならない理由は何なのか、知事の所見を質す。
・県議会決議の「事態解決のための措置を重大なる決断をもって早急に講じるよう強く求める」との本旨を重く受けとめ、これ以上地元住民への苦難を強いることなく、早急に支障の除去について対策を講じるべきだと考えるが、知事の決意を問う。
・(答弁を受けて)支障の除去の必要はない、最高裁の判決を仰ぐとの木で鼻をくくったような答弁は極めて残念だ。県議会の決議をどのように受けとめているのか、再度明確にされたい。知事は現場主義を標榜しているが、ぜひ現地に行って視察していただきたい。現地に行ってもらえるのか否かを聞きたい。
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| 仁戸田 元氣議員(福岡市西区)の一般質問 |
- 1.本県への外国人観光客の受け入れについて
- ・観光は地域における消費の増加や雇用創出など、幅広い経済効果があり、特に外国人観光客の受け入れによって効率よい内需拡大が可能だ。平成21年度の福岡県観光入込客推計調査によると、韓国、中国、台湾を始めとするアジアの合計数は全体の94%を占めており、今後増加が著しいアジアの観光客の呼び込みが課題だ。
・原発事故に伴う風評被害の影響で、本年4月の訪日外国人客数は、前年同月比6割減と過去最大の落ち込みを記録している。本県はこの現状を踏まえてどのような対策を行い、いつの時期までに入り込み客数を回復させるのか。
・MICE(会議、研修旅行、国際会議、イベント、展覧会)の積極的振興が必要だ。本県のMICE誘致は全国二位と聞くが、今後さらに取り込むにはどのような取り組みが必要なのか。また、被災地で開催できないMICEを本県に積極的に誘致すべきだと考えるが、知事の考えを問う。
・フィルムコミッションあるいはサブカルチャーなど、本県の特色を生かした観光客誘致に取り組む考えや予定があるのか、知事に尋ねる。
- 2.県有財産の有効活用について
- ・財政健全化のためには、県が保有する膨大な県有施設を効率的に管理し、有効に利用・活用すべきだと考えるが、本県の取り組みはまだ不十分ではないのか。
・北海道や青森県などでは、ファシリティーマネージメントが導入されている。これは、県有財産を対象とした総合管理であり、経営的な視点から設備投資や運営、管理にかかわるコストの最小化や県有財産の効用の最大化を図るとともに、社会ニーズへの柔軟な対応等を通じて、最適な公共施設の経営管理を行う手法だ。その意義は、直面する課題を明らかにし、住民との共有化を図ることにあると考える。
・平成13年11月に出された本県の行政改革審議会第一次答申で、県有財産は貴重な県民財産であり、トータルコストの削減、適切な管理、保全のための戦略が必要とあるが、取り組みの現状を聞きたい。
・それぞれの県有施設により管理者が異なるため、県有財産としての一元的な管理もなされておらず、施設ごとのトータルコストを明らかにしていない。資産の有効活用とコスト削減のために、建物ごとに維持管理や利用状況等の情報を一元管理すべきだと考えるが、知事の所見を伺う。
・県内市町村でも資産の有効活用に努力していると認識するが、県として市町村に情報提供してはどうかと考えるが、知事の所見を問う。
- 3.若年性認知症について
- ・65歳未満の若年性認知症患者は全国で3万8,000人いると推計され、潜在的には10万人程度にのぼると言われている。本県にはどれくらいの若年性認知症患者がいると思われるのか。
・認知症は早期相談、早期発見、早期治療が重要だ。若年性認知症の方々への支援は、医療、介護、福祉のみならず、就労支援など多岐にわたることから、行政の所管部局も複数にまたがり、大変わかりにくい状況になっているため、相談窓口を一つにまとめることが必要だ。患者や家族に対する総合的な相談窓口の設置について、知事はどのように考えるか。
・若年性認知症は若くして収入が途絶え、長期間の介護費用が必要になることが、深刻な問題だ。このような現状を踏まえ、県として若年性認知症の方々の就労支援をどのように取り組んでいるのか。
・若年性認知症の方々の生きがいづくりも大切だ。全国のいくつかの福祉施設でも取り組まれている、介護サービス事業所における若年性認知症の方々の有償ボランティア活動について、知事の考えを尋ねる。
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| 田邊 一城議員(古賀市)の一般質問 |
- 1.災害時の要援護者対策について
- ①福祉施設等の防災、集団避難と広域避難のあり方
・今回の大震災において、社会福祉施設や介護老人保健施設、病院といった要介護者が多く集まる施設の集団避難と広域避難の難しさが明らかとなった。福島県いわき市の介護老人保健施設小名浜ときわ苑(入所者150人、職員100人)が、200キロ以上も南の千葉県鴨川市に避難した経緯を施設長に聞いたが、その困難さ、課題と教訓を生かさなければならない。
・原発事故の併発も含む大規模災害が発生した際の県内福祉施設等における防災、減災の体制、現状と課題をどのように考えているのか。
・福祉施設等の集団避難、広域避難のあり方について、現行の地域防災計画に触れられておらず、民間の福祉関係者に重い責任を負わせている現状を改善するために、都道府県間の連携、都道府県、市町村と福祉関係団体との連携といった防災、減災のネットワーク化を実現するためのルールづくりを検討する考えはあるか。
・この課題は、九州・山口各県のトップが認識し対処すべき問題だと考えるが、九州地方知事会の場において問題意識を共有してもらえるのか、知事の考えを尋ねる。
②在宅の要援護者対策
・昨年4月1日現在、本県の自主防災組織の組織率は62.0%しかなく全国平均を大きく下回っている。これでは、要援護者の所在把握が進んでも、実効性が伴わない。当初予算では自主防災組織の設立への助成金として2億円を計上しているが、市町村の活用を促すためにどのような具体的な方策を考えているのか。また、組織率向上への目標設定を明らかにされたい。
・昨年3月31日現在、本県で福祉避難所を1ヵ所以上指定している市町村は60の内わずか18と低迷している。福祉避難所の指定は震災後増えていると聞いているが、震災後本県としてどのように取り組んできたのか、震災前の取り組みの反省も踏まえ現状を尋ねる。また、今後市町村に指定を呼びかける具体的な手法、目標設定を明らかにされたい。
・福祉避難所で実際に支援するマンパワー、資機材の確保も重要だが、現状認識を答えられたい。
- 2.本県の都市戦略・首都機能移転論について
- ・東日本大震災を契機に、首都機能移転に関する議論が再燃し、東京と大阪の知事が首都機能の分散化について意見交換するなどの動きがでているが、本県は議論に完全に遅れてしまっていると言わざるを得ない。
・首都機能移転論議に当たっては、太平洋側に比べて日本海側は過去に地震の発生は少なく、大きな津波の危険性は低いとの見方を踏まえるべきであり、首都機能移転の肝は、国家機能維持のためのリスク分散だ。首都機能の分散論についての知事の考えを聞きたい。その上で、議論に参加し本県への誘致を検討する考えはあるのか。
・首都機能分散移転の検討の可否を踏まえ、他の知事が論じているような国家的な視点から、都市を抱える本県の将来像についての知事の考えを尋ねる。
・首都機能分散移転論が、分権改革の脈絡で語られていることから、道州制についての知事の見解を示されたい。
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| 井上 博隆議員(大野城市)の一般質問 |
- 1.中学校給食の推進について
- ①井上議員の意見
・平成23年度から27年度までの第二次食育推進基本計画が策定されているが、この中で特に重要なものは、幼少期からの食に関する教育の必要性と昨今の社会情勢を反映した学校給食に焦点を当てた取り組みだと思う。
・子どものうちに健全な食生活を確立することは、成長段階で必要な栄養を摂取し、健やかな体を作り、生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくんでいく基礎となる。行政としては、義務教育期間に学校教育活動全体を通じて食育が推進されるよう取り組む責任があり、その先頭に立つべきものが学校給食だ。
・本県の中学校における完全学校給食実施率は76.9%だが、実施状況は十分なものとは言えない。特に完全給食が未実施の大野城市などの住民には、中学校完全給食の実施を切望する声は非常に強い。
・学校給食の実施権限は各市町村に委ねられているので、県として強制はできないが、中学校の完全給食を実施する必要があると確信する。
②質 問
・教育長は学校給食の必要性をどのように認識しているのか。
・県内公立中学校346校のうち8市8町1村の80校だけが完全給食を実施しない、またはできない理由をどのように把握しているのか。
・中学校完全給食が未実施の市町村教育委員会へ、県教育委員会としてどのような働きかけをしているのか。今後どんな指導助言をしていくのか。
・(答弁を受けて)大阪府では、中学校完全給食実施率向上のため5年間で最大246億円の補助制度を設けることにしている。本県でも市町村を最大限バックアップしていく必要があるのではないか。知事を含めて議論していただきたい。
- 2.認知症対策について
- ①井上議員の意見
・認知症は、要介護状態に陥る三大原因の一つであり、認知症予防は介護予防の中でも中核的な位置を占めるものと考える。認知症の予防もしくは早期発見ができれば、個人だけでなく、社会的にも大きな恩恵をもたらすことは間違いない。
・近年研究が大きく進展し、早期発見、早期対応を行えば、認知症の進行そのものを大幅に遅らせることができることが明らかになってきた。特に、軽度認知障害の時期に低下する認知機能を刺激し、認知的予備力を蓄えておくことが理にかなっていると言われている。しかし、国の認知症対策は、軽度認知障害の方をスクリーニングし、早期発見、早期対応につなげる体制にはなっていないのが現状だ。
・現在我が国で受診できる公的健診の中で、認知症早期発見という観点からは介護保険法を根拠とする生活機能評価が一番取り組みやすいと考えられるが、現在の生活機能評価のシステムでは認知症の早期発見を行うことは、非常に難しいのが現状だ。
②質 問
・認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクトの報告書では、認知症患者数の把握のため、医学的に診断された認知症有病率調査を実施することになっているが、本県における認知症患者の把握はどのようになっているのか。
・高齢者のかかりつけの医師が、認知症の早期症状を見逃すことなく、適切な診断を行っていくことが重要になる。本県では、認知症サポート医の養成研修やかかりつけ医認知症対応力向上研修等を行っているが、その取り組み実績及び成果と課題はどのようなものか。
・今年度新規事業予算に計上されている認知症医療センター設置に関する考え方と、今後果たすべき役割をどのように考えているのか。
・(答弁を受けて)サポート医17人、認知症医療センター4ヵ所では少なすぎるのではないか。市町村や地域包括支援センターを含めて、全体で一体となって対策を進めていくという知事の強い決意が必要ではないか。また、高齢者が気軽にいつでも、どこでも検査を受けられる体制を作り、正しい認識を持ってもらうための啓蒙活動にも取り組んでいくよう要望する。
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| 中村 誠治議員(久留米市)の一般質問 |
- 1.地方分権について
- ・小川知事は議会での答弁からして道州制推進論者で、九州知事会もそれに向けて推し進めていること、遅くとも2013年頃までには相当の権限移譲を受けた市町村が整理され、二つの政令市と一つの中核都市を抱える本県の県行政の空洞化は避けられないこと、今回の大震災によって国民の多くは分散型の国土形成を望んでいること等などを勘案すれば、九州道州制は実現すべきものとして本県の長期計画に盛り込まれていくのが当然だと考えるが、知事の所見を伺う。
・道州制に移行するということは、県庁をなくすということであり、その後の展望も明確でなければ職員のモチベーションは低下する。そうならないために、知事が福岡県をどこに導こうとしているのか、明るい将来像を情熱を込めて語る必要がある。九州道州制と福岡県が果たすべき役割、福岡県の将来ある展望を聞かせられたい。
・産業政策の転換や地域振興対策というものは、政治や行政のダイナミズムがなければ到底成就し得ないと考える。本県が進めている広域地域振興策、いわゆる地方分権下における地域づくりやまちづくりについて、知事の政策理念を尋ねる。
- 2.東日本大震災関連・省エネ推進について
- ・省エネこそ最大の電源であると信じる。電力は工場とオフィスと家庭で三分の一ずつ消費しているが、オフィスや家庭は改善の余地が多く、省エネの宝庫だと言われている。技術革新したエアコンや冷蔵庫、LED電球などの省エネ機器をオフィスや家庭に導入するだけで6〜8割の電力削減が見込まれることになる。しかし、エコポイント制度も終わり、不況感が漂う中で、民生に普及していくためには、何らかのインセンティブが必要だと思えてならない。
・例えば、商工会等が行うプレミアムつき地域商品券などに工夫を凝らして、省エネ機器の購買意欲を高める何らかの方策が打てないものか。知事の所見を伺う。
・小中高校のPTAや地域コミュニティ等の連絡網を通じて、古い電気器具の買い替えや、午後のピーク時を避ける家事電力の使用を呼びかける社会運動を展開してはどうかと思うが、知事の所見は。
・知事は、公共施設や交通信号機のLED化を進めると表明している。であれば、県立高校や高齢者福祉施設等の箱もの公共施設には、その精神が生かされ、省エネ・節電対策が盛り込まれているものと推察するが、見解を問う。
- 3.国際環境事業について
- ・韓国南部では数基の原発が稼働中であり、中国の韓国西海岸に向かい合う地域にかなりの数の原発施設が建設中である。これらの地域で福島原発と同じ事故が起こらないとも限らない。また、黄砂や酸性雨の元凶であるCOx、オキシダントなどの越境大気汚染問題がある。これまで積み上げてきたノウハウを多元的に整理、活用して、したたかに県民の生命と財産を守り抜くことが県政の本分だと思う。
・環境事業は、国際的に、広域的に活躍の場が見込める前途有望な事業だ。越境大気汚染問題についても日韓の関係地域連携を強め、新たな事業の進化を期待したいが、知事の所見を伺う。
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